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シャープさんさんの作品:第2回シャープさんの寸評恐れ入ります

コルクBooksに集うマンガ家のみなさん、読者のみなさん、こんにちは。@SHARP_JP です。唐突ですが私、ホラー映画が好きです。特にゾンビ。なのでこの作品に反応してしまいました。


たとえばある人の発言に、自分と趣味が同じだとほのかに確信した瞬間、グッと距離が縮まる感覚があります。一方通行の親近感だとしても、会ったことがなくても、それはもう半分友だちと言ってもいいのではないか。インターネットやツイッターにどっぷりなわれわれは、そう思いませんか?


(今回の寸評)「怖い映画の妄想しちゃう映子、と牧村君。~ビデオ屋での続き」(やじま 著)

この「怖い映画の妄想しちゃう映子」はぜひシリーズで読んでほしいのですが、それはそうと、怖い映画の妄想しちゃう女の子がもし私の近くにいたら、好きになる自信がある。好きになられても困るだろうし、そんな女の子に出会ったことないけど。


それなりに私もこじらせた成長を遂げてきたので、無愛想な牧村くんには冒頭からすでに親近感がわいています。レンタルビデオ店でバイトするくらいですから、牧村くんもそうとうな映画への愛を抱えているのでしょう。


そこへ、右手にジョン・カーペンター、左手にダリオ・アルジェント。真ん中にクラスメイトの顔。その子の瞳はつぶらなようでいて、ホラーシーンを重ねるフィルター付きだ。自意識ゆえの無愛想男子、牧村くんだって、やさしくしないわけにはいかない。最後のシーンで、喜ぶ映子さんの破顔を正視できない牧村くん、わかる、わかるよ。大人の私もドキドキする。


自分が「好き」だと思う対象に、どうやらあの人とは共通項がありそうだ。ひょんなことからそんな予感に気づく瞬間は、友だちや恋人という関係へひた走る加速スイッチみたいなものです。仲が深まるのは、もう間もなく。一般的にはマニアックと評される狭い「好き」の話だからこそ、ふたりが出会う瞬間が描かれたこの作品が、とても好きです。


ちなみに映子さんが手にする映画、右手にトビー・フーパー、左手にジョージ・A・ロメロだったら、まちがいなく私はその場で告白してる。

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2019/9/11 コミチ オリジナル
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