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コルクBooks公式のお題:みんなの企画
お題

#みんなの企画

原作
2018年12月03日 コルクBooks公式

みんなのマンガ企画を投稿しよう!

21ラリー

Activity
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コルク代表で編集者の佐渡島庸平さんが、長年温めてきた大ヒットを狙えるかもしれないマンガの企画を紹介しながら、アイデアを練る際の考え方も同時に伝授する連載「佐渡島庸平 presents 企画のおすそ分け」。


2月は、0から1を生み出す企画の立て方ではなく、1を10にするための企画の磨き方についてお届けしています。テーマは、『他メディア展開から、企画の強度を磨く』です。


第1週の小説に続き、第2週は「ゲーム」への展開から企画の磨き方を考えてみましょう。


・・・


「楽しめるゲームの型」は「おもしろい物語に必要な型」でもある


佐渡島:マンガの他メディア展開で、ファンと作者が一番ハッピーになれるのは「ゲーム」で、いまは「ソーシャルゲーム」だと思います。中国では、二次展開されたソーシャルゲームのヒットが、マンガ家にとって貴重な追加の収入源になっています。


現在リリースされている多くのソーシャルゲームは、マンガや小説の持つ表現の豊かさに比べると、楽しめる幅はまだまだ狭い。それでも「楽しめるゲームの型」はあり、それは「おもしろい物語に必要な型」でもあります。この型にはめて、狭さを活かす物語を考えることもマンガの企画には必要ではないかと思います。


この型はソーシャルゲームだけでなく、これまでにヒットしたテレビゲームにも活用されているので、それらの事例を交えながら説明しましょう。


・・・


主人公だけでなく、敵が戦う理由にも共感できるポイントを設ける


佐渡島:「楽しめるゲームの型」の構成要素には、「対戦」「成長」「育成」「収集」「交換」の5つがあります。


まずは「対戦」です。「敵」と言い換えてもよいかもしれません。私は、これが一番重要だと考えています。


魅力的な対戦には、「敵は何者なのか?」や「敵はどのような時に登場するのか?」など、丁寧な設定が必要です。


なかでも、敵が主人公と戦う理由に「これ、共感できるなぁ」と思えるポイントがあるとよいでしょう。「地球滅亡を企む絶対悪を倒す」ではなく、「敵と主人公の両方が正義である」ストーリーだと、大人でも楽しめる物語になります。圧倒的な悪を倒す勧善懲悪は、物語としてわかりやすいですが、大人にはリアリティがかけて感じられます。

敵と戦う理由をつくるのが非常にうまいと思う作品は、『機動戦士ガンダム』シリーズです。その設定の妙が、息の長い人気を誇る理由のひとつだと思います。



・・・


登場キャラクターを量産できる世界観を構築する


佐渡島:「ソーシャルゲーム」への展開を考えた場合、キャラクターを続々追加させるために、敵も味方もキャラクターを量産できる世界観がマンガに内包されていることが求められます。さらに、強者のインフレ構造を感じさせない仕掛けが施されているかも大切なポイントです。『ドラゴンボール』や『聖闘士星矢』、『キン肉マン』は、次から次へとストーリーに合わせて様々なキャラクターが産み出されました。これらの作品は、いずれもソーシャルゲーム化されて、大成功しています。


・・・


「成長」、「育成」、「収集」「交換」のやりこみ要素を盛り込む


佐渡島:2つ目の要素は「成長」です。『ドラゴンクエスト』シリーズを例に挙げると、主人公はモンスターとの闘いで経験値を獲得し、一定値に達するとレベルアップします。次のレベルアップに必要な経験値はわかるため、達するまでまた戦います。みなさんは、早くレベルアップしたくて、ストーリーそっちのけでメタルスライム狩りをした経験はありませんか?これも、楽しまれるゲーム設計の工夫のひとつだと思います。


3つ目は「育成」です。第1作目を除いたほとんどの『ドラゴンクエスト』シリーズでは、主人公以外の仲間たちをレベルアップさせたり、転職させたりして育成します。また、『ドラゴンクエスト5』ではモンスターを仲間にして育成したり、『ドラゴンクエストモンスターズ』シリーズでは、モンスターの配合によって新しいキャラクターを誕生させ、育成できます。読者の中には、ゲーム本編よりも育成に熱中してしまった方もいるのではないでしょうか。


最後の要素は「収集」「交換」です。装備品を集めたり、レアなアイテムを入手するためにマップの隅から隅までメダルを探索したり...。楽しめるゲームには、アイテムを全てコンプリートしたくなるような仕掛けが施されています。


・・・


アイテムや呪文のネーミングを工夫する


佐渡島:『ドラゴンクエスト』シリーズには、成長や育成、収集したくなる仕掛けがたくさん盛り込まれていますが、なかでも武器・防具と呪文のネーミングは秀逸だと思います。


ストーリーの序盤に主人公が装備している武器はひのきのぼうで、防具はぬののふくです。次の段階になると、武器はこんぼう、どうのつるぎ、はがねのつるぎに、防具は、たびびとの服、かわのよろい、てつのよろいとグレードがアップしていきます。名前だけで、どちらを装備した方がよいかが直感的にわかるように工夫されているのです。


呪文も、メラとメラゾーマだったらメラゾーマの方が、イオとイオナズンだったらイオナズンの方が強そうですよね。収集するアイテムや習得する呪文などのネーミングを設定する際は、このようなわかりやすさを意識して考えるとよいでしょう。


・・・


自分のコンテンツにおける「対戦」「成長」「育成」「収集」「交換」とは?


佐渡島:最後に、今回紹介した「楽しめるゲームの型」をどのようにしてマンガに活用するかを考えてみましょう。


対戦について、「物語の中で誰と戦い、何を困難とするのか?」や「何を大義に戦うのか?」という問いかけをすると、物語の設定が広がるでしょう。


次に、その対戦を通じて実現されるであろう「主人公にとっての成長は何か?」を問い、さらに「何を育成するのか?」を考え、「何を収集するのか?」についても検討しましょう。


これら全ての要素を予め設定することで、マンガが魅力的になるだけでなく、ゲームへの二次展開もしやすくなるはずです。


聞き手・構成 / 高橋淳一 @jayjaytakahashi & コルクラボライターチーム

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マンガ
べい。
11日前

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べい。さんのラリー・マンガ:前世はこうだったにちがいないvol20
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マンガ家や編集者といったエンタメ業界に止まらず、現在あらゆる仕事において、人をワクワクさせる『企画力』というものが求められています。


「世の中にオドロキや感動を届けたい…!」


そう意気込みながらも、なかなかナイスなアイデアが浮かばない…。そんな、あなたにオススメしたいのが、この連載企画「佐渡島庸平 presents 企画のおすそ分け」


コルク代表で編集者の佐渡島庸平さんが、長年温めてきた大ヒットを狙えるかもしれないマンガの企画を紹介しながら、アイデアを練る際の考え方も同時に伝授していきます。


「なるほど…。ヒットする企画というのは、こういう風に考えればいいのか。」


そんな風に、企画力を高めるヒントをここから持ち帰ってもらえたら嬉しく思います!


さて、2月は、0から1を生み出す企画の立て方ではなく、1を10にするための企画の磨き方について話をしていきます。


ずばり、テーマは『他メディア展開から、企画の強度を磨く』です。


今週はテーマの説明と、他メディア展開における「小説」についてお届けします。


・・・


他メディアでの展開を考えると、アイデアが磨かれる


佐渡島:今月の企画は『他メディア展開から、企画の強度を磨く』です。


アイデアは思いついたんだけど、それを膨らませることが、なかなか難しい…。こんな相談をもらうことがよくあります。


確かに、面白いマンガのネタを思いついたとしても、「どういう主人公にして、どういう舞台設定にして、どういう展開をしていくと面白さが増していくのか?」と、企画を磨いていかないとヒットするマンガにはなりません。


そんな時、僕は他メディア展開を考えることで、アイデアを膨らませます。


「このマンガを映画化したら、どんな俳優が、主人公を演じるんだろう…?」


「ゲーム化するとしたら、どんなジャンルのゲームになるんだろう…?」


「キャラクターグッズを作るとしたら、どういうグッズ展開が良いのだろう…?」


このように考えてくと、演じてもらいたい俳優に合わせて主人公の顔や雰囲気を寄せてみたり、グッズ化しやすいようにキャラクターを追加したりと、アイデアがどんどん膨らみ、強度の高い企画に磨かれていきます。


そして、これはビジネスの企画においても同様だと思います。


「この企画でレストランやテーマパークとコラボレーションしたら、どうなるんだろう?」


「この企画をWeb上で体験してもらうとしたら、どういう形がいいんだろう?」


「この企画でグッズを作るとしたら、どういうものが喜ばれるんだろう?」


様々な場所での展開や、違う職種の人とのコラボレーションについて考えてみると、アイデアが叩かれて強い企画になっていくはずです。


今月の『企画のおすそ分け』では、ヒットするマンガの企画を磨くために、あえてマンガ以外のメディアについて考えることでアイデアを膨らます方法を、メディアごとに考えていきたいと思います。


・・・


小説で描かれている抽象概念をマンガで伝えてみる


佐渡島:さて、今月1回目となる今週は「小説」について考えてみます。


マンガから小説に展開するノベライズはよくありますが、今回は小説からマンガに展開するという逆転の発想から、マンガのアイデアを磨くということを考えてみたいと思います。


小説の一番の魅力とは、何でしょうか?


それは、目に見えない抽象概念を伝えやすいということです。


愛とは何か?なぜ人は生きるのか?


そういう抽象的なテーマを真正面から捉えて描くことができるのが小説の醍醐味です。


数年前に、遠藤周作の小説『沈黙』が映画になりました。この作品で描かれている人間と人間の対立のエピソードは映像化され、映画として成り立っています。ただ、遠藤周作が問いかけていた「神とは何か?」というテーマに対して、映画を観終わった後に自分なりの考えを深めようとするとなかなか難しいのではないでしょうか。一方、『沈黙』の小説を読み終わった後では、読みながら思考が徐々に深まっているので、自分の考えを整理することができます。


つまり、映画は世界観をリアルに受け取れますが、小説だと思考を深めることができる。これが小説の最大の魅力なのではないでしょうか。


青春小説の多くは、主人公の頭の中の考えがグルグルと書き連ねてあります。青春小説と呼ばれる作品には、そういうものが多く存在します。『若きウェルテムの悩み』や『人間失格』『風の歌を聴け』のような青春小説を、単純に心の声をネームにして、マンガで表現しようとすると、物語展開が何も起こらず、つまらない作品に仕上がってしまうでしょう。主人公は何もしないし、ずっと考えているだけなので、「ウジウジしてる奴だなぁ…」と読者に思われて終わりってしまう可能性もあります。


マンガは、映画と小説の両方の良さをバランスよく取り入れることが可能だと思っています。映画のようなリアリティを絵で保ちながら、小説ような抽象概念も、一定量なら伝えることができる。


例えば、安野モヨコの作品をみると、抽象概念をうまくマンガで表現していると思います。『鼻下長紳士回顧録』などは、特にそうです。真っ白や真っ黒の背景の中に抽象概念だけが浮かび上がっているというコマ運びがすごく上手い。だから、作品に触れると、文学作品を読んでいるような不思議なテイストをいつも感じることができ、独特の読み応えのある作品に仕上がっています。





変態という概念を、映画でセリフとして誰かが読み上げたとしても、抽象度が高くすぎて、頭になかなか入ってこないと思います。小説だと、もっと抽象的な描写が長くなるでしょう。


だから、マンガ家を目指している人は、好きな小説を見つけたら、その小説のあらすじをマンガで表現することを考えるのではなく、こう考えてみてください。


「この小説が描いている目に見えない抽象概念を、自分だったらどういう風にマンガで表現するか?」


「どういう風に表現すると、小説以上にその抽象概念が伝わるか?」


これを実践していくことで、独特の雰囲気があって、オリジナルな読み応えのあるマンガ家になれると僕は思います。是非、試してみてください。



聞き手・構成/井手桂司 @kei4ide &コルクラボライターチーム

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コルク代表で編集者の佐渡島庸平さんが、温めている漫画の企画を「おすそ分け」としてシェアするこの連載企画。


1月の企画の立て方のテーマは、「大きな時代の流れを読む」です。


絶対に揺るがない不可逆な時代の流れとは何かを考え、その流れにのることで作品を多くの人が読みたいと思うものに仕上げる。そんな「大きな時代の流れを読む」という企画の立て方で考えた、具体的な企画の題材を4つ紹介しています。


***


人類史上、最も注目を集め続けるイベント。


佐渡島:4つ目となる企画は、「オリンピックをテーマとした競技を描く」です。


これは言わずもがなですが、オリンピックというのは4年に1度は必ず開催されて、毎回毎回、確実に盛り上がります。


人類の歴史の中で、こんなに注目を集め続けているイベントは、あまりないと思うんですね。


なので、オリンピックが舞台となるような競技で漫画を描くというのは、大きな時代の流れを読むという意味で、ヒットを生むことのできる確率がすごく高いんです。


でも、世の中を見渡すと、オリンピックを舞台にした漫画って意外と少ないんですよ。体操を題材にした『ガンバリスト! 駿』がありましたが、それも連載が終了して随分経ちます。


サッカー、野球、バスケットボールを題材にした漫画は沢山ありますが、そのほとんどがプロスポーツであったり、高校選手権が主な舞台になっていて、オリンピックを目標にして戦っているわけではないんです。


そう考えると、オリンピックが舞台になって、多くの人が語りたくなる競技を漫画の題材とにするのは、他に作品が全然ないので、関心が集まりやすいんです。


そこで、今回は数あるオリンピック競技の中でも、特に僕が企画として面白い漫画が描けそうな2つの題材についてお伝えします。



オリンピック競技で、ヒットの可能性が高い題材とは?


佐渡島:まず1つ目は、サーフィンです。


サーフィンは2020年の東京オリンピックで初めて正式種目になり、今注目が集まっています。


そして、サーフィンが好きな人というのは、どの時代にも安定的にいて、サーフィンについて熱く語りあっています。競技人口が少なくても、長く存在できているというのは、サーフィンの競技としての奥深さが強いからだと思うんです。


これって、ワインと一緒だと思います。ワイン好きって、いつの時代も存在するじゃないですか。しかも、ワインについて深く語り合っている。それはワインが語りたくなる奥深さを持っている飲み物だからなんです。


だから、ワインの奥深さを描いた漫画『神の雫』は、すごくヒットしましたよね。それまでワインを題材にした漫画は『ソムリエール』くらいしかなかったので、ワイン好きの人にも読まれるし、ワインの奥深さを知りたいと思っていた人にも歓迎されました。


サーフィンもワインと同様に奥深さがあり、多くの人がその奥深さに1度は触れてみたいと思う題材なんじゃないかと思います。しかも、オリンピックというドラマが生まれる瞬間を物語に組み込むことができます。


なので、ヒット作品を生み出すという意味では、サーフィン漫画はすごく可能性がある題材だと思っています。


そして、2つ目は、パラリンピックです。


パラリンピックは回を重ねるごとに規模が大きくなってきて、注目度合いも増してきています。


そして、テクノロジーの進化により、技術による人間の身体へのサポートの質もどんどん伸びてきています。先日、乙武さんがモーターを搭載したロボット義足をつけて、義足訓練を開始したことも大きく話題になりました。


もしかすると、このまま技術が進化していくと、義足の人の方が、義足じゃない人よりも100メートル9秒台を早くきる可能性があるのかもしれない。


そうすると、パラリンピックの方が、オリンピックよりも見応えがあるという時代が訪れるかもしれません


そして、健常者と身体的にハンディキャップをもっている人の差とは何かを、みんなが考え始めるようになる…。


そんな少し先の未来を描く漫画は、とても読んで見たくなりませんか?


大きな時代の流れを読むという意味でも、未来においてテクノロジーがますます進化していくというのは、絶対に不可逆な流れなんです。


パラリンピックを目指すアスリートたちを主人公にした物語というのは、大ヒット漫画になる可能性がとても高いと思います。



…ということで、オリンピックをテーマにした題材として、僕が最も注目しているのは、サーフィンとパラリンピックです。


これからもオリンピックは絶対に多くの人を惹きつけてやまないイベントとして存在し続けるでしょう。


オリンピックをテーマに、この2つを題材に漫画を描いてくれると嬉しいですし、「この競技を題材にした漫画の方がもっと面白いものが描けそう」というものがあれば、その競技を題材にチャレンジしていってもらえると嬉しいです。



聞き手・構成/井手桂司 @kei4ide &コルクラボライターチーム

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3件の編集コメント
20日前
浅生鴨さんの伴奏者は本当に良いテーマだと思います!
18日前
サーフィンを題材にした漫画では、みやたけし先生のshujiというのがありました^_^5巻で終わってしまいましたが、爽やかかつ熱くて僕は好きだした。
16日前
ソムリエールの前に原作が同じ城アラキさんの瞬のワインやソムリエがありますね
特にソムリエはちょうど第何次めかのワインブームちょっと前から連載されていて、波に乗ってドラマ化もされたので覚えている方もいらっしゃるのではないかと
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コラム
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コルク代表で編集者の佐渡島庸平さんが、温めている漫画の企画を「おすそ分け」としてシェアするこの連載企画。


1月の企画の立て方のテーマは、「大きな時代の流れを読む」です。


絶対に揺るがない不可逆な時代の流れとは何かを考え、その流れにのることで作品を多くの人が読みたいと思うものに仕上げる。そんな「大きな時代の流れを読む」という企画の立て方で考えた、具体的な企画の題材を4つ紹介しています。


今回は、テーマである「大きな時代の流れを読む」の意味と、1つ目の企画である「中国の人達が楽しめるコンテンツをつくる」についてお届けします。


***


揺るぎなく、不可逆なものとは何なのか?


佐渡島:今月の企画の立て方のテーマは「大きな時代の流れを読む」です。


僕は、漫画家や作家が作品を作る際には、“自分らしさ”というものを作品に出すことが重要だと思っています。なので、その時々の瞬間的な時代の空気感に作品を合わせにいくような企画の立て方はやめて欲しいと思っているんですね。


でも、世の中を見回した時に、揺るぎなく不可逆な大きな時代の流れを意識することは大切です。


さらに、その流れの中で“淀み”が生じている箇所があれば、ヒットに繋がる可能性がとても高いと考えています。


『ドラゴン桜』も、この淀みを発見したところから始まった企画でした。


当時は、週刊誌などで、「東大の価値が下がってきている」とよく報道されていたんです。東大卒より早慶卒の人の方が就職してからのパフォーマンスが高いだとか、東大に入ると就職がしづらいとか。


でも、実際には、報じられるほど、東大の価値が下がっているわけではなかったんです。明治以降150年間、東大の地位は揺るがなかった。そして、世界全体を見渡してみても、各国のトップと言われる大学は、ほぼ国立の大学なんです。それが、ここ5年、10年で揺らぐ可能性の方が圧倒的に低いわけです。東大が築いてきた地位はそう簡単に崩れないという大きな流れの中で、まさに淀みが生まれていました。


そう考えた時に、やっぱり東大は目指すべき場所であることを漫画で描くこと自体に価値がありますし、「やっぱり、東大はすごい」と時代の風向きが戻った時に、その流れにのって漫画が大ヒットになる可能性があるわけです。実際にドラゴン桜はそうでした。


『宇宙兄弟』も同じです。企画を立てていた当時は、宇宙をテーマにした記事って、ほとんどメディアで見かけなかったんです。むしろ、宇宙開発への予算は抑えた方が良いんじゃないかという議論があったり、産業としても危ぶまれていました。


でも、大きな視点で見ると、宇宙開発で人類が月に行くことって、いつの時代も確実にワクワクすることなんですよ。人間の宇宙への関心は絶対に尽きるはずがないと思っていたんです。


実際に、宇宙兄弟が連載開始して2年後くらいに日本で新しい宇宙飛行士の募集が始まり、新しい宇宙飛行士が生まれました。今では『スペースX』だったり、宇宙に関する様々なニュースが日々報道されていますよね。『宇宙兄弟』も大きな時代の流れにのって、大ヒットした作品と言えると思います。


もしかすると、“投資の神様”と呼ばれるウォーレン・バフェットの株の買い方の考えに近いのかもしれません。彼はカミソリ会社の大株主になっていますが、その理由はどんなに技術が発展しても、ヒゲを剃る人は絶対にいるからカミソリの会社は安泰であろうという考え方に基づいています。バフェットも、トレンドに流されず、長期的な視野を持つことが大切だとよく言います。


絶対に変わらないであろうという、大きな時代の流れを読みながら、企画を考えることは、すごく重要です。そして、そこに淀みが生まれていたら、大きなチャンスかもしれません。


***


中国の古典を、どうリメイクするか?


佐渡島:ということで、「大きな時代の流れを読む」というテーマで、今月は4つの企画を話します。


初回となる今回は、一番わかりやすい大きな時代の流れを紹介します。


それは「中国の人達が楽しめるコンテンツをつくる」ということが、これから大ヒット漫画を生み出す可能性が高いということです。


人口が多く、中流層が増え続ける中国の人達が、コンテンツにますますお金を払うようになるというのは、どう考えても絶対的な流れです。なので、中国の人達が楽しめるコンテンツを作ることができれば、市場が圧倒的に広いので、特大級の大ヒット作品に繋がる可能性が高いわけですね。


そのなかでも、僕は中国の古典を描いた作品に魅力をすごく感じています


例えば、『三国志』や『西遊記』などの中国の古典は、これまでに何度もリメイクをされるほど、人気があります。そして、中国の古典や歴史が舞台の作品って、日本人にもすごく人気がありますよね。最近の『キングダム』の流行りを見ていても、そう感じます。


僕は、今の時代、全く新しい物語をつくることだけではなく、過去の作品をどうリメイクするのかが非常に重要だと思っています。そこでいうと、中国の古典ってリメイクをする対象としてすごく魅力的なんです。


そう考えた時に、中国人にとって「知ってるようで、知らなかった」という古典を探して、それを漫画化すれば、中国人にも、日本人にも、大ヒットする作品がつくれるかもしれません。


僕は、僕らの知らない素晴らしい中国の古典が、まだまだ沢山眠っているはずだと思っています。


「中国は日本から色々とパクる」みたいなことを言う人がいますが、長い歴史から見たら、中国から日本が学んでいることのほうが圧倒的に多いわけです。昔から、中国から日本にきた渡来人などが、日本の政治も文化もリードをしてきました。


このように、中国の人達のコンテンツをつくる力というのは、素晴らしいものがあるので、きっと今の時代に生きている人でも夢中になる古典が沢山眠っているはずです。しかも、それを掘り当てた時は、日本人も、中国人も楽しめる超特大級のヒット作品になる可能性が高いわけです。



ということで、「大きな時代の流れを読む」という企画の考え方の1回目は、絶対に不可逆な流れということで、「中国の人達が楽しめるコンテンツを作る」を紹介しました。


中国の古典の山に宝があるかもしれないということで、それを探しにいってもらえればと思います。また、「こんな面白い中国の古典があるよ」とご存知の方がいたら、是非教えて欲しいですし、その漫画化にチャレンジしていただけると嬉しいです。



聞き手・構成/井手桂司@kei4ide &コルクラボライターチーム

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1件の編集コメント
01月10日
聊斎志異がとても好きです。中国の古典はほんとにおもしろくて大好きです。
絶版かもしれませんが、平凡社の中国古典文学大系シリーズというのがあって、タイトルがずらりとまとまっていて、どんな作品があるのかチェックするのに便利です。何冊か面白そうだと思って買ったまま積読になっているので、これを期にまた読んでみたいと思います。

01月10日

ケンケンすごいな!!

01月11日

ケンケンチャンス!!!
いっちゃえーーー!^_^

01月11日

>ふむさん
たまたま趣味が…。「知ってるだけ」から、「漫画がかける」になりたいです。

01月11日

>こしの先生
うおー!技量がついたらと思ってたんですけど、下手でもどんどん描いてみるほうがいいですね!

01月11日

まじ!ここは攻めどころかもよ!
描いてるうちにモノになるし、世界制覇
狙える!!

01月11日

世界制覇…描くしかないですね!!!
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イラスト
加藤屋大悟
01月08日

前回制作したロゴ、バージョンアップしました。ペン先のヘアピンの追加してみました。 

現在自分が開いている外人向けのワークショップ「マンガレボリューション」の
ロゴマークを制作中です。
コルクブックスのロゴのフキダシからビビビときて生まれました。

彼女の名前は ふきだしたガール(仮)。
漫画で革命を起こしマンガの力で世界に笑顔を届ける女の子です☆

よろしくです☆


マンガレボリューションかましてくれそうなのはどのタイプの子でしょうか?
ちなみに右と左では口元が微妙に違います。
もうちょいバージョンアップしていく予定なので

ご意見お待ちしております。

ちなみにこちらでワークショップを開催してるので
興味がある方は是非ご登録を☆(日本人でもだいじょうぶです)

https://www.meetup.com/ja-JP/manga-drawing-workshop/


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加藤屋大悟さんのラリー・マンガ:マンレボロゴマークver.20
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3件の編集コメント
01月08日
左下がいいと思います。

01月09日

左下ありがとうございまーす
加藤屋大悟 作者   いいね 1  
01月08日
マンレボの話、ラリーする時に毎回した方がよいかと。
UIの問題かもしれないですが、ラリー元を思い出せないので。。

01月09日

確かに何のことやらとなりますね。ありがとうございます、早速修正しました
加藤屋大悟 作者   いいね 0  
01月09日
右上推しです。

01月09日

右上と左上が強いな~ ありがとうございまーす
加藤屋大悟 作者   いいね 0  
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マンガ
べい。
01月06日

夢で浮かんだストーリーをラリーして、本当に面白いのか、面白くないか、やってみたいです。

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べい。さんのラリー・マンガ:大マンガ実験0
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01月06日
寝付けないとき同じようにアイデアが溢れてきます!でも冷静になるとしょぼかったりするので不思議です。でも見せてみた方がいいですよね
01月06日
夢で見たこととかよくメモ取ってます。大抵意味わかんない話なんですが。案外いいネタの素かもしれませんね!
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イラスト
加藤屋大悟
01月05日

あけましておめでとうございます。

久々の投稿です☆

今日自分が開いている外人向けのワークショップ「マンガレボリューション」の
打ち合わせでロゴマーク欲しいねって話になって浮かんだやつです。
数日前に見たべいさんの出したお題がいい感じにインプットされていたのかもしれないです。良い感じでフキダシ系女子が完成しましたw

彼女の名前は ふきだしたガール。
漫画で革命を起こしマンガの力で世界に笑顔を届ける女の子です☆

よろしくです☆

どのタイプがいいでしょうか?もうちょいバージョンアップしていく予定なので
ご意見お待ちしております。

ちなみにこちらでワークショップを開催してるので
興味がある方は是非ご登録を☆(日本人でもモンダイアリマッセ~ン)https://www.meetup.com/ja-JP/manga-drawing-workshop/

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加藤屋大悟さんのラリー・マンガ:マンレボロゴマーク0
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4件の編集コメント
01月05日
可愛いです!緑のラインの子が好き(^^)。色のコントラストがいいです。

01月05日

ありがとうございます~ いろんなバージョンを作ったら作ったで迷ってしまっていますw 実は口元右と左で違うんです。
加藤屋大悟 作者   いいね 1  

01月06日

ほんとだ!(^^)
01月05日
いいですね!

01月05日

コルクブックスのロゴからインスパイアーされて生まれました。ありがとうございます
加藤屋大悟 作者   いいね 0  
01月06日
左上が好きです!(*´ω`)

01月07日

ありがとうございます☆左上いっちょ~~☆
加藤屋大悟 作者   いいね 0  
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マンガ
べい。
01月01日

吹き出しを台詞の囲みだけでなくて、新しい活用法を考えてみるというお題はいかかでしょうか

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01月01日
今年初投稿ありがとうございます。
01月01日
これ楽しいですね!何か思いついたらラリーしたいです(^^)!
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マンガ
二宮ユウキ@にのかん
2018年12月31日

「アビー…脳死なんだって…」


息せき切って駆け付けた病室。

息子のか細い声で、父は娘の脳死を知った。


絶望に暮れる日々を超え、

彼は「前向きに生きるための旅」に出る。



動画に感動して書きました。


動画はこちら↓↓↓

https://curazy.com/archives/220973

< /p>< /p>< /p>< /p>< /p>

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2018年12月31日
うますぎです!聴診器のシーン良いですね。なんに苦労もなく、すっと内容が入ってきました。ありがとうございました。

2018年12月31日

しんぺーさん
そう言って頂けて光栄です。
自分も描きながら動画を思い出して泣きそうになりながら描きました。
01月01日
お父さんの泣いてる姿がとてもよかったです。お話をここまで高めるとはすごいです!

01月02日

うんたばさん
コメントありがとうございます。
このシーンを書くための漫画だったので良かったです!
01月01日
元旦から素晴らしいマンガ読ませてもらいました!

01月02日

萬田さん
勿体なきお言葉、ありがとうございます。
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